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王子村
【おうじむら】


旧国名:土佐

香長平野の南東に位置し,北は丘陵で西に平野が広がる。「続日本紀」の天平宝字8年10月条に土佐国に配流されたと見える池田親王が当地に仮寓したと伝え,地名は同親王の伝承にちなむという(香美郡町村誌徳王子村)。地内に若一王子宮があり,「南路志」所引の社記に,「昔熊野より永源上人御厨子を奉負此所に勧請」と記され,同書所収村上氏系図栄元の項に「貞和中土佐ニ下向大忍ノ王子ゴンゲン別当」と記す。永源と栄元が同一人であれば貞和年間の勧請と解されるが,弘安元年12月4日の若王子宮別当職補任状(香宗我部家伝証文/土佐国地方史料)の存在から,その勧請はさらに年代がさかのぼると考えられる。勧請時仮殿を字刈谷の地に建てたのが,刈谷の地名由来という(王子権現由来記)。
王子ノ村(中世)】 織豊期に見える村名。
王子村(近世)】 江戸期~明治16年の村名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204354