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大元神社
【おおもとじんじゃ】


安芸市赤野にある神社。旧郷社。祭神は天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神。大本明神とも記した(土佐州郡志)。赤野川右岸の丘陵上に鎮座し,土佐湾に臨む。神体は阿弥陀三尊で,当所は奈半利(なはり)坂本神社(現奈半利町の多気坂本神社)の古祠であり,当地の成願寺(現常願寺,本山修験宗)が別当であったと伝える。応永33年正月には内蔵九郎右衛門らが鰐口を寄進し(安芸郡馬路村薬師堂蔵鰐口銘/南路志),天正12年・慶長17年に造営があった(棟札銘/南路志)。天正17年の和食地検帳によれば,社壇は北向きで9尺2間の熨斗葺,横殿は2間3間で茅葺であり,弓場があった。別当の成願寺は30余代の寺地のほかに寺領を有していた。なお社殿が北向きなのは,土佐湾を航行する船が神威を畏れたためという。現拝殿には芝居興行の回り舞台がある。10月19日の祭礼に奉納される獅子舞は県無形文化財。古来,安産・疫病に験があるとして周辺の人々の崇敬を集めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204559