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沖ノ島
【おきのしま】


県の南西海上,宿毛(すくも)市沖ノ島町地区にある島。面積10.5km(^2),人口610(昭和58年)。かつて当島は北西部の母島(もしま)地区と南東部の弘瀬地区に二分され,江戸期には,母島地区は鵜来(うぐる)島・姫島とともに伊予宇和島藩領,弘瀬地区は土佐藩領として統治されていたが,漁業権や入会権などでしばしば境界争いが起こった。明治7年鵜来島,姫島,当島の母島地区が愛媛県から高知県に編入された。長い間,宇和島藩領であった母島地区は,鵜来島とともに紅殻塗りの柱を使った建築様式,言語や生活など南予地方の風習が色濃く引き継がれている。当島は豊後水道の陥没によって生じた島で,地質はほとんど花崗岩で構成されているが,弘瀬北部および東部に白亜紀四万十川層群須崎層が一部分露出している。島はほとんど全体が急斜面または海食崖で囲まれており,花崗岩の露出した海食崖は節理に起因する洞門・洞窟が並んでいる。特に弘瀬北方の七ツ洞は,上部の須崎層との接触部がはっきりと識別される。古屋野南西部の白岩岬や最南端の櫛が鼻付近の海食崖は豪壮雄大で,当地域の白眉といえる。島の最高部は,「今昔物語集」記載の,この島に一組の男女が漂着したとの伝承に由来する妹背山(403.8m)で,平地はほとんどない。気候は温暖で年中霜をみない。冬季北西の季節風は激しく,風の中の島ともいわれる。植生は保安林や寺社林など特殊な場所を除き,薪炭林としてたびたび人為的な更新を繰り返しているので,ウバメガシ・タイミンタチバナ・タブノキ・ヤブツバキ・スダジイ・ヤブニッケイなどのきわめて密生した亜喬木林が多い。亜熱帯系のハカマカズラ・シラタマカズラ・ビロウ・アコウ・ショウベンノキなどがみられる。北西岸の母島,南西岸の弘瀬が主な集落で,昭和58年現在の人口は,母島が236人,弘瀬が265人である。平地がほとんどないため,家屋は斜面に石垣を築き,階段状に建てられており,石垣を利用し,通路や小谷の上などに干棚を作っている。段々畑や斜面の畑などではサツマイモや落花生・野菜類が栽培されている。沿岸漁業や遠洋漁船の乗組員が多く,磯釣りの名所として,渡船業もみられる。北端の烏帽子崎北東2kmの海上に浮かぶ二並島の最高部の標高は44mで,北島は急傾斜ながら土壌がありハチジョウススキを主とする草地がみられ,ビロウが散生し,南島は断崖に囲まれているが上部はやや平らで,植生があり,ビロウが密生している。南端の櫛が鼻には灯台があり,四国の最南端(北緯32°42′)に位置している。付近の海は沖ノ島海中公園に属する。




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「角川日本地名大辞典」
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