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小村神社
【おむらじんじゃ】


高岡郡日高村下分にある神社。旧県社。祭神は国常立命。古くは小村大天神などと称し,土佐国二の宮といわれる。用明天皇2年の創祀というが,詳細は未詳。貞観12年3月従五位下から従五位上に昇叙した(三代実録)。古来から社の修理・造替は国衙あるいは留守所が行うものとされ,用材は仁淀川中・上流の吾河山・別府山・横河山などの材木が充てられた(南路志)。のちに藤原秀郷の流れをくむ蓮池城主大平氏の保護を受けるようになり,仁治元年10月,元亨4年6月,貞和3年11月に造替が行われている(棟札銘/古文叢・蠧簡集)。戦国期には神事に中心となって奉仕する頭屋によって運営され,天文12年9月15日の御頭帳に11の御頭屋敷が記されている(蠧簡集)。天正16年の日下之別符地検帳によると,大頭田・頭田・国司田・灯明田などの神田が日下(くさか)村全域にわたって存在し,宮床と馬場は検地が免除され,隣村波川村にも神田が見え,多くの社領を有していた。その後山内氏入国によって社領は没収され,慶長6年の知行割では,神田2反と別当神宮寺への2反を与えられたのみであった(南路志)。神宮寺は小村山昭光院と号し,当社の本地仏大日如来を本尊としていたが,明治維新後の神仏分離により廃寺となった。なお,昭光院が所有していた渡地蔵は現在修験宗の神宮寺(日高村下分)に安置されている。明治維新後県社に列格,現在に至る。例祭は11月15日。7月20日には「当家なばれ」の行事が催され,神幸が行われる。拝殿は,高知市一宮(いつく)の土佐神社と同様,凱旋を報告する社として意味が込められた入蜻蛉形式。神体は古墳後期の金銅荘環頭大刀で国宝。全長1.18m,柄頭は金銅板金の環の内側に相対して珠をかむ双竜を透彫し,柄の上部には表裏に早蕨状のX形文,下部には表裏に並列三重山形文を点線打込みで表す。鞘口と鞘尻は素文,その間は表に並列連珠文,裏は並列三重山形文である。このほか平安後期の菩薩面2面(国重文)と鎌倉期の菩薩面がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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