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桂浜市立都市公園
【かつらはましりつとしこうえん】


高知市南部,浦戸湾口南側の岬の太平洋岸に位置する公園。昭和28年,高知市立公園,同35年には市立都市公園に指定された。公園は桂浜と背後の小丘陵,浦戸城山(60m)からなり,面積14.6ha。竜頭岬~竜王岬間の延長約500mの礫浜,桂浜は古くから月の名所。また浜は外洋の波が勇壮に打ち寄せ,土佐湾全体,足摺(あしずり)岬・室戸岬方面への眺望が開けた観海の地でもある。近年,減少が指摘されるものの,仁淀川の運ぶ美しい五色石も有名。古来の要港,浦戸一帯を見下ろす浦戸城山は早くも南北朝期に築城をみたとされる要衝の地で,戦国期には本山氏と長宗我部氏の攻防の拠点となった。長宗我部氏の土佐一国支配後の天正19年には,長宗我部元親が大高坂(現高知市中心部)から移転,城は領国支配の中心となった。慶長5年関ケ原で西軍についた長宗我部氏が除封され,翌年には山内一豊がここに入城,2年後一豊は大高坂へ移転し浦戸城は廃された。浦戸城は土佐最初の天守閣をもつ城とされ,天守台・堀切などの遺構が残る。地内には長宗我部氏が朝鮮から連れ帰った捕虜在住にちなむとみられる唐人畑の小字も残る。また,地内東南浦には長宗我部氏除封後,浦戸城明渡しに応ぜず,いわゆる浦戸一揆の主体となった一領具足の碑と六体地蔵がたつ。旧台場の上,灯明台には坂本龍馬の銅像が木立ち越しに太平洋にまなざしを向ける。園内には高知市出身の美文家で桂浜月下漁郎とも号した大町桂月,対岸仁井田出身の文筆家田中桃葉(貢太郎)両氏の記念碑,漢詩の横山黄木詩碑,吉井勇歌碑,高浜虚子句碑など文学関係の碑も多い。ほかに,民営の水族館,闘犬センター,貝類博物館,また,売店・飲食店・駐車場や国民宿舎桂浜荘をはじめとする宿泊施設などの観光施設が整う。竜王岬の上手には浦戸灯台が建つ。高知市中心部からバスで約40分の位置にある県内有数の観光拠点。昭和47年には対岸の種崎千松県立都市公園との間に浦戸大橋が架設され,浦戸湾東岸と結ばれた。近年,浦戸湾口の水路確保などのため,突堤などの整備が進む一方,浜の地形的変化などもみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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