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祈年神社
【きねんじんじゃ】


南国市廿枝字御洗にある神社。旧郷社。祭神は大年神・若年神・御年神・諏訪大神・熊野大神ほか1柱。諏訪大明神社・神明とも称した(土佐州郡志・南路志)。地元ではお祈年様と呼ばれる。創祀は未詳であるが,「続日本紀」慶雲3年2月26日条で祈年幣帛の列に入った19社の1つに推定され,この年以降毎年五穀豊穣が祈られたとみられる。「三代実録」貞観8年5月22日条で正六位上から従五位下に昇叙された「祈年神」は当社のことであろう。「土佐州郡志」は長宗我部氏が勧請したと伝えるが,祈年神は古来より祀られており,長宗我部氏が信濃から勧請した諏訪大明神を合祀したと推定される。同氏の崇敬も篤く,元親は五穀豊穣を祈って毎年元旦に参詣し,社殿造営も行ったと伝える。天正16年の廿枝郷南地地検帳に,舞殿は2間4間,横殿は5間2間,馬場を擁し,周囲に「祈年分」「祈年一和尚分」などの社領を有していた。元親造営の社殿はのちに破損,野田村ハヤウサに仮宮を建てて移し,延宝2年藩の許可を得て旧地に再興したが,元禄15年に再び破損し,藩によって再建された(南路志)。明治維新後,郷社に列格。例祭は7月23日,10月19日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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