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貴船神社
【きぶねじんじゃ】


中村市下田の貴船山にある神社。旧郷社。祭神は高龗別雷神・闇龗罔象女神・船玉神・矢之吉加豆良神ほか5柱。貴船大明神社(土佐州郡志)・貴布禰別雷神(南路志)とも称した。四万十(しまんと)川(渡川)河口左岸に位置する。「南路志」は社記を引き,元徳年間に下田浦へ影向したのを刑部左衛門が社殿を造営し崇祭したと記す。「皆山集」では元徳元年尊良親王の土佐配流の時,鞍馬山の貴布禰神を船の守護神として下田浦へ着岸し,翌2年に「木舟谷」に一宇を造営し奉祭したという。親王は帰洛に際し長崎刑部左衛門正利を社職に任じた。当地はそれまで人家もなかったが,以後貴船神の守護で繁栄したという。天正17年の下田村地検帳に1反20代「刑部左衛門ゐる」とあるのは宮畑宮司家で,社地2代と「木船谷」に40代の神領が見える。宝永4年の大変で社伝・記録類を流失した。近世には正月8~13日に奉射祭,9月9日に河口の青砂島まで御神幸があった(南路志)。明治5年10月に現社名に改称し,郷社に列した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7205278