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神峯神社
【こうのみねじんじゃ】


安芸郡安田町唐浜にある神社。旧県社。祭神は大山祇命・天照大神・春日大神・八幡大神。江戸末期までは神峯寺と呼ばれる神仏習合の霊場であった。神峯山の山中にあり,道の険しさから土佐の関所と呼ばれた。神功皇后が三韓出兵の際に奉斎,凱旋後参拝があったと伝えるが詳細は未詳。その後,大同4年空海が勅命を受け,十一面観音像を本殿に配祀して本尊とし,四国霊場八十八か所第27番札所となったという。もとは現在地より4km程上方にあったが,元和年間火災により焼失したため当地に移転した(南路志)。天正15年の安田荘地検帳には唐浜村西北集落の中尾の地に「シンホウシヤシキ」5代および寺領の存在が記されている。本堂は4間四方の小枌葺,寺田3反を有したが,江戸中期には安田村の常行寺(現廃寺,安田町安田)が当寺を管掌している(南路志)。明治維新後の神仏分離により明治4年に寺号を廃し,神峯神社と称した。例祭は10月28日。その後明治20年に神社下方に神峯寺(真言宗豊山派)が再興され,札所として現在に至っている。御詠歌は「みほとけの恵のこころ神峯山もちかいも高き水音」。嘉永6年再建の現社殿は入母屋造り・柿葺で,和様と唐様をとり混ぜ,県文化財。境内にある大樟は樹齢900年といわれ,県天然記念物。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7205593