四国カルスト県立自然公園
【しこくかるすとけんりつしぜんこうえん】

高岡郡檮原(ゆすはら)町・東津野村・仁淀村から愛媛県久万町にまたがる県立自然公園。昭和36年３月31日指定。昭和46年３月26日，鳥形山石灰採取に伴い区域変更。面積は1,645ha。県の西北部，愛媛県に接する石灰岩の露出するカルスト地形地帯で，東は鶴松森・不入(いらず)山から地芳峠を経て愛媛県大野ケ原に続く東西約29kmに及ぶ。標高1,000～1,400m内外の日本でも珍しい高位高原カルスト地形をなしている。高原一帯は，ススキやクマザサなどに覆われた草原の中に，カルスト地形特有のドリーネが分布し，奇岩怪石のカーレンが乱立して奇観を呈する。また展望景観も優れ，晴れた日には，北に霊峰石鎚山（愛媛県）を望み，南に太平洋を眺望することのできる山岳公園。尾根に沿ってハイキングコースも整備され，天狗高原にスキー場も開設され，四季を通じて楽しめる公園となっている。公園域の一部には巨岩の間を清流が流れ，紅葉の美しい仁淀村岩屋渓谷や，大引割・小引割の大地の亀裂，東津野村の不入山風景林，四万十(しまんと)川源流部の足川渓谷などもあり，変化に富んでいる。国道33号や同197号経由で行ける。国民宿舎その他の宿泊施設もある。冬の積雪期にはスキーも可能。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7205945