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白髪山県立自然公園
【しらがやまけんりつしぜんこうえん】


長岡郡本山町の北部にある県立自然公園。昭和31年1月17日指定。白髪山山頂(1,469.6m)から中腹にかけての斜面一円と飛地的に本山町市街地の東,吉野川対岸の帰全山とが,公園の範囲で,面積476haのほぼ全域が国有林。江戸期,白髪山産のヒノキは大坂市場で名があり,土佐藩の重要な財源の1つとなり,藩制林として保護されたが,現在樹齢150年を超す巨木の天然林が純林化し,学術参考林として保護されている。白髪山の上部は,三波川帯の超塩基性岩地帯(蛇紋岩)からなり,冷温帯に属し,ヒノキ林が優占する。特に北部斜面に,ヒノキを主体にヒメコマツ・コメツガの混生する森林をよく発達させ,ヒノキ林下は広範囲のシャクナゲ群落自生地として知られる。また,林床にはシノブカグマ・ツルシキミ・ツルツゲ・カンスゲなどが多くみられる。南側斜面は蛇紋岩が露出したやせ地で,ヒノキの白骨林の奇観がみられる。西山麓部,汗見川の一支流白髪谷川上流部も結晶片岩類からなる自然の渓谷美をよく残し,自然保護地域となっている。頂上からは,背後に県境をなす四国山地の主峰の連山,前面に吉野川河谷や四国山地の前山一帯の眺望が開け,登山者も多い。帰全山は,雁山とも呼ばれ,土佐藩家老であった野中兼山の母万の墓地の所在地でもある。シャクナゲや桜が植栽され,対岸の本山市街地を中心に所領をもった野中兼山の銅像もあり,いわば,都市公園的性格も有し,訪れる人も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7206182