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須崎八幡宮
【すさきはちまんぐう】


須崎市西古市町にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命。「南路志」所収の慶長2年の八幡宮旧記によれば,津野親忠が須崎城鎮護の神として半山(現高岡郡葉山村)から移した神社で,「古来,下分村等の氏神は今西ノ宮と称す賀茂也。時として親忠公八幡宮を御造営有ける故に,是に本つき正氏宮と成れり」という。八幡社には天照大神・春日大明神をも祀り,賀茂社ともに八幡林に所在。しかし「賀茂御祖皇太神宮諸国神戸記」所収の正安3年の和与状に「鴨新宮・八幡宮同敷地,八幡原」と見え,鎌倉末期には所在したのを親忠が修復し,守護神としたものと考えられる(須崎市史)。天正16年の津野惣郷神社帳に「八幡本社三間四面 舞殿三間 横殿五間」とある。宝永4年の津波で,親忠奉納の鎧1具と武者人形・神輿も流失し,社殿も破損した。鎧と人形はのち発見され,神輿は伊豆国下田浦沖(静岡県)で拾われ交渉の末,戻った。本殿・拝殿とも宝永4年に改築した(須崎市史)。別当寺は新義真言宗の八幡山明星院大善寺であったが,明治4年廃寺。賀茂社は西鴨神社として境内に祀られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7206339