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須崎湾県立自然公園
【すさきわんけんりつしぜんこうえん】


県中央部,須崎湾を中心とする県立自然公園。昭和33年3月28日指定。同34年11月17日区域拡張。同36年3月31日区域除外。面積1,750ha。須崎湾を中心とし,須崎港から南へ角谷岬―領知―安和海岸―青木崎まで,東は野見湾の野見・大谷や野見半島,戸島,中ノ島,神島や付近の碆を含み久通の観音崎までの須崎湾を中心としたリアス式海岸で,山崎鼻・角谷岬・コウギノ鼻や野見半島など出入りが多く水深も大きい。特に角谷岬―コウギノ鼻以北の須崎港では航路の最深部は15mであり,1万t級の船の出入りが可能である。野見湾も水深が大きく,ハマチの養殖が盛んである。湾奥には平地は少なく,野見や大谷など漁業を中心とする集落があるがあまり大きくない。野見半島や戸島・中ノ島などは釣りやキャンプに適する。須崎から巡航船もでているが,最近野見半島の道路が整備され,また中ノ島への橋が完成し陸路からも容易に行けるようになった。外洋に面する海岸は断崖が連なり,波静かな湾内とは対照的である。角谷岬から安和にかけても見事な断崖が連なる。安和には砂浜が500mほど続き,キャンプや海水浴に適し,温暖な気候を利用して斜面にはミカンやビワの栽培が盛んである。公園はこのほかに,市北部の蟠蛇森(ばんだもり)(769.3m),市街地中心部の城山,新荘川支流沿いの樽の滝を飛地的に含めている。城山は,戦国期,長宗我部氏などとともに土佐七雄にあげられる津野氏の城跡(支城,本拠地は高岡郡葉山村姫野々)地で,須崎湾・市街地の眺望がよく,蟠蛇森は仏像構造線に沿う不入(いらず)山脈の一峰で,前面の土佐湾一帯,背後の四国山地をはじめ,360度眺望がきき,電波塔などの施設も置かれ,ハイキング地の1つでもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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