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高知坐神社
【たかちにますじんじゃ】


宿毛(すくも)市平田町戸内にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は都味歯八重事代主神。相殿に大国主尊・素盞嗚尊を祀る。平田川の右岸に所在する。対岸の丘陵上にある曽我山古墳は,現在は消滅しているが,古墳中期の前方後円墳で,波多国造の墳墓であろうといわれている。当社はその波多国造によって祀られた神社と考えられる。境内に祭祀遺跡があり,社殿前方および背後から平安期の土師器・須恵器・甕が出土しており,いずれも神社祭祀に関する遺物である。創祀年代は未詳であるが,波多国造は崇神天皇朝に天韓襲命が神教で任命されたことに始まる(先代旧事本紀)。「延喜式」神名帳幡多郡条に「高知坐神社」とある。中世以降は高地大明神・高持大明神などと呼ばれたらしく,応永6年7月の鰐口銘に「高地之大明神」(蠧簡集),天文13年一条房基造営の棟札に「高持者大明神」と見える(南路志)。天正17年の山田郷内平田村地検帳に11代余の「高持社御宮床」と,宝殿・舞殿・横殿が記される。また別当寺の長福寺が隣接し,神主は社地のすぐそばの屋敷に居住していたことがわかる。江戸期には宿毛土居付家老山内氏(安東氏)の崇敬篤く,現社殿は明和5年山内氏篤によって修造されたものである。江戸初期に再建されたものを大改造したものであるが,向拝の彫刻には桃山期の余韻をとどめている。県文化財。明治維新後,郷社に列格。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7206492