100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

種崎の渡し
【たねざきのわたし】


高知市の南部を占める浦戸湾口部にある渡し。東岸の種崎と西岸の浦戸・御畳瀬(みませ)を結ぶ。「元親記」などにも,古く長宗我部氏の浦戸城進攻の際に,このルートが利用されたことが見える。四国霊場八十八か所の巡礼も,第31番札所竹林寺(五台山),第32番札所禅師峯寺(南国市十市)と浦戸湾東岸を巡った後,この渡しで対岸の浦戸に渡り,第33番札所雪蹊寺(高知市長浜)に向かった。かつては,個人経営の伝馬船であったが,昭和33年以来,市営の鉄鋼船となった。昭和47年,浦戸湾口に東西岸を結ぶ浦戸大橋が完成し,翌年6月,市営渡船は廃止され,長い歴史を閉じたが,昭和59年現在,種崎と御畳瀬間には県営渡船が運航している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7206597