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為松公園
【たんまつこうえん】


中村市街地北西部にある公園。標高76mくらいの山頂周辺に位置する。「ためまつ」と慣用的によまれているが,本来は「たんまつ」で,丘陵は通称古城(こしろ)山とも,為松山ともいわれる。中村市北部,堂ケ森(857m)山地の西尾根の南端部にあたる。基盤岩石は白亜紀四万十川層群の有岡層。もと土地の豪族為松氏が城を築き,応仁2年一条氏に献じたものと伝えられる。天正17年の中村郷地検帳には,山上に東城・為松城・御城・今城の4城が見える。その後山内一豊が弟康豊を中村に入れ,為松城は中村城として整備されたが,元和元年一国一城令により取り壊され,以来城跡は樹木の繁茂にまかされていた。大正3年中村町が公園として整備し,現在に至っている。従来為松城と呼ばれていたものを,4城を総称する名称として中村城に変更し,昭和41年3月8日市史跡に指定された。その後,小動物園・遊具・花壇などの整備や郷土資料館の建設などが行われ,公園面積も13haとなり,昭和46年4月1日,都市公園として開設した。公園からは市街地や後川・四万十(しまんと)川などが一望でき,周辺の眺望に優れ,また,県西部の桜の名所としても名高く,史跡公園として市民の憩いの場として親しまれている。公園の北部,中村城跡の詰,二の塀,六助山周辺は市街地の北部開発区域に入っており,開発か保存かが論議されたが,記録保存にとどめることになり,発掘調査が行われた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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