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月山神社
【つきやまじんじゃ】


幡多郡大月町才角にある神社。祭神は月夜見尊・倉稲魂尊。表筒男尊・中筒男尊・底筒男尊三神と八重事代主尊を合祀。才角川下流の西側,朴崎の近く,月山に位置する。月山の名は三日月形の自然石が,巌上にあることにちなむ。もと守月山南照寺といい,役小角が始めた修験道場と伝え,四国霊場八十八か所の番外札所であった。天正18年の佐井津野村地検帳に「月宮殿」「守月庵」が見え,「土佐州郡志」は月山守月菴,「南路志」は月宮殿,別当月光院と記す。享保7年南照寺の慶学が書写した月山略縁起(社蔵)には,役小角が月山に入り月影の霊石を発見して月夜見尊・倉稲魂尊を奉斎し,のち空海がこの霊石の前で二十三夜月待の密供を修したとある。その後堂舎を造り仏を安置した。月山は次第に修験道場として知られたという。一説に当社は白鳳持統年中に勧請,祭主は天長年間から天承年間まで社僧南照寺が勤め,その後は修験となり,この時,倉稲魂尊・三筒男神を祀ったといわれる。さらに中興初代より南照寺住僧が11世まで続けたが,明治2年社僧を廃し,翌年寺号を止め月山神社と改称(皆山集)。行基開山の説もある(南路志)。一条氏寄進という明国焼の花瓶が伝存し,日明貿易の一端を伝え,「南路志」は一条房家の歌を記す。現在,漁師の護り神として崇敬を集める。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7206696