手結住吉県立自然公園
【ていすみよしけんりつしぜんこうえん】

県中央部，香美郡夜須町から安芸郡芸西(げいせい)村にかけての海岸地帯と安芸市内の飛地からなる県立自然公園。昭和31年海岸地帯の150haが公園域に指定され，同35年安芸市分を追加し，合計面積310haとなる。手結岬西側の手結浜は遠浅の砂浜で海水浴場として知られ，手結港は江戸初期野中兼山によって開削された掘込港で，当時の石積みを残す。西端に位置する月見山はかつては姫倉山と呼ばれ，土御門上皇が配流の際に立ち寄ったという伝承があり，月見山こどもの森が設けられている。岬東側の住吉海岸は，岩礁の多い岬付近が磯遊び・釣りに適し，浜は古来，海水浴場として有名。東の琴ケ浜には約４kmにわたって黒松林が続き，県名勝に指定されている。安芸市内では，ツツジ・内原野焼で知られる内原野，巨石に波濤が砕ける大山岬，眺望のよい妙見山，国天然記念物であるシダ群落のみられる伊尾木洞のほか，安芸城跡・岩崎弥太郎生家・浄貞寺の史跡が公園域に指定されている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7206748