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奈半利港
【なはりこう】


安芸郡奈半利町にある地方港湾。奈半利川が土佐湾に注ぐ河口左岸に位置する。地質は四万十帯で,奈半利川によってつくられた沖積層からなる砂浜海岸の港。「土佐日記」承平5年1月10日の条に「けふは,このなは(奈半)のとまりにとまりぬ」とあるように(古典大系),古代以来知られ,中世以後,上方への材木の積出港としてその名が残る。江戸期の「土佐州郡志」に「去高知東海陸十三里,東至羽根浦界,西至田野浦界,東西一里二十町,浦西有港水涸則不通船」とあり,「船数艘」と見える。林業地帯を貫流する奈半利川の河口港で,材木の集散地として重要な位置を占めながら,砂浜海岸の自然条件に悩まされていたことが知られる。現在は漁港で,近海漁業が主である。小型漁船の一本釣り(コダイ・アマダイ・イトヨリなど)と定置網(アジ・ムロアジ・ハゲなど)漁業が中心で,付近にはマグロ船のドックがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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