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野中神社
【のなかじんじゃ】


香美郡土佐山田町の上野にある神社。土佐藩執政野中兼山の四女婉が野中家の断絶で祖先の祭祀が絶えるのを憂えて宝永5年に建立したもので,俗にお婉堂と呼ばれる。野中一族と兼山に殉死した古槙次郎八重固の霊を祀る。市街地西部に位置し,付近はサイクリングコースとなっている。婉は,兼山の死後寛文4年の野中氏改易により兄弟姉妹とともに幡多郡宿毛(すくも)(現宿毛市)に幽閉された。40年後野中家の男系が絶えて許され,元禄10年土佐郡朝倉村(現高知市)に移って医者として生計を立てた。婉は伝来の宝器を売却した金で兼山ゆかりの当地に祠堂を建立し,祭田5反を付けて古槙氏に祭事を託した。「南路志」によれば,堂床は2代3歩,祀堂は1間四面で,5反の祭田は陶(須江)村にあったようである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7207480