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野根八幡宮
【のねはちまんぐう】


安芸郡東洋町野根にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇。宇佐八幡宮とも称した(南路志)。街並をはずれた山麓に位置し,脇を国道55号が通る。野根郷の惣氏神で,野根郷の地頭惟宗氏の勧請と伝える。長享3年銘と永禄9年銘の棟札では惟宗氏が願主として社殿造替にあたっており(蠧簡集・木屑),代々惟宗氏の崇敬を受けてきたと思われる。天正3年長宗我部元親軍の侵攻により惟宗氏は野根郷を放棄,天正17年の野禰村地検帳に神田などの記載の見えないのは,惟宗氏没落による当社の衰退を推測させる。江戸期に入り慶長6年銘の棟札には「地頭江州之住弥右衛門尉」とあり,山内氏の代官富永頼母が修復にあたっているところから(木屑),山内氏の保護を受けるようになったと思われる。慶長6年と19年の造替には,真言宗最御崎寺(現室戸市室戸岬町)末の宝蔵山医光院観音寺(現廃寺,東洋町野根)の住持尭秀が導師を勤めている(野根八幡社棟札/木屑,南路志)。江戸期は社地12代,所領2反を有していた(南路志)。山内氏の代々参勤交代の途上に海上平安を祈願したらしい。社記によれば別当寺は最御崎寺であった(南路志)。明治5年に郷社に列格。翌6年に社殿が全焼し,古文書・棟札などを焼失した。現社殿は翌7年に再建されたものである。例祭は10月6日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7207487