100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

白山神社
【はくさんじんじゃ】


土佐清水市足摺岬(あしずりみさき)にある神社。旧郷社。祭神は伊邪那岐命・伊邪那美命。白山神社はもと白山権現として海食洞門の上に祀られていたが,大正5年白皇山上の白皇神社と合祀して,現在地に社殿を造営した。両社とも享禄5年に真言宗金剛福寺住持尊海の書いた蹉跎山縁起によれば,弘仁年間に金剛福寺を建立し,「鎮護には熊野三所権現・愛満・宝満・白皇・白山等を勧請し奉る」という(南路志)。白山神社は金剛福寺の守護神の1つで,藩主山内氏も代々崇敬し,修造に関与した棟札が金剛福寺に伝わる。白皇神社は金剛福寺の奥院で白皇権現と称し,白皇山頂に祀られていた。天正17年の幡多荘伊布利村他五村地検帳のうち足摺之村地検帳に記された伊佐村のうちに「白皇権現奥院 三尺四方社有 四間四方之宮床有」と見える。「南路志」は山伏普門院の管掌とし,慶応4年の宗門改指出では快蔵院とあるが,両院の関係は未詳。神石は高さ5m,周り22mである(土佐清水市史)。江戸期には高岡・幡多両郡での牛馬祈祷札の発行権をもっていた。札は丸木を5mm程の厚さに輪切したものである。白皇山は金剛福寺の領分で白皇修験として伝えられる。明治4年の神仏分離で佐田山神社と称し,猨田毘古神・天鈿女神・大奈牟遅神・少彦那神を鎮祭した。明治31年に神殿新築に着手したが,大正5年に白山神社と合社した(土佐清水市史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7207511