八王子宮
【はちおうじぐう】

香美郡土佐山田町の長谷川丸にある神社。旧郷社。祭神は大山咋命・大己貴命・八王子神ほか５柱。国鉄土讃本線土佐山田駅の東北，鍋山南麓に位置する。社記によると，文明元年野口寄長が楠目城主山田基義の命によって，近江国東坂本より山田村の八王子に勧請したもので，のち野中兼山が中井を開削する際に宮床が障害となったので現在地に遷座，寛永17年社殿が完成したという。天正16年の山田郷地検帳には，八王子や八王子宮ノ前の地名が，近世の山田村域に見える。近世には社地30代，宮林35代や社領１反を有し，本社は東西８尺，南北９尺，舞殿は１丈２尺に２丈であった（南路志）。遷座後文禄頃まで楼坊という別当が存在したらしいが（同前），未詳。大祭には藩主の代参があった。例祭は11月６日，４日に御祓竹葉揚，７日に御葉竹引きの神事が行われる。夏祭りに幅11ｍ，高さ５ｍ，奥行３ｍの絵馬台が飾られ，灯がともされる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7207568