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室津港
【むろつこう】


室戸市にある避難港湾。室戸岬の北西約5km,室津川河口南側に位置する。室戸岬沖の難所を控え,古くから風待港として知られ,承平5年紀貫之が帰任の途中に寄港した室津湊もこの付近との説がある。江戸初期,野中兼山が改修した室戸港は,現在の室戸岬(旧津呂)漁港ともいわれ(伝室戸港記),現在の室津港の内港は兼山の遺志を継いだ一木権兵衛のもとで大修築がなされ,その没後16年の延宝7年に完成した掘込港。昭和19年前港が,同46年内港の前面に新泊地と航路が完成し,港湾整備が進められた。昭和5年に指定港湾,同27年には避難港に指定されている。江戸期には捕鯨基地となり,明治期以後もカツオ・マグロ漁業が盛んで,遠洋漁業の基地ともなっていた。第2次大戦後は,遠洋漁業の基地機能は静岡県や神奈川県に移り,船籍地的要素が強いが,高知県カツオ・マグロ漁業協同組合の本部が置かれている。沿岸漁業地でもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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