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室津神社
【むろつじんじゃ】


室戸市室津にある神社。延喜式内社。祭神は天津彦根命。室津八幡宮ともいう。江戸期は天津大明神と称した(土佐州郡志・南路志)。天の神様として崇敬を受けている。室津川右岸の山中に位置し,付近に室津城跡がある。はじめ高野にあり,近世に至って現在地に遷ったとされるが(南路志),定かでない。創祀は未詳。「延喜式」神名帳安芸郡条に見える「室津神社」に比定される。「土佐国式社考」では「続日本紀」神護景雲元年6月22日条に見える「土佐国安芸郡少領外従六位下凡直伊賀麻呂」を,天津彦根命を祖とする凡河内直氏と同姓とみて,凡直氏が天津彦根命を祀ったとしている。だが,凡直氏の祖は長阿比古とされ,凡河内直氏と同姓とみるには疑問が残る。しかし,凡直氏は土佐国造の系譜を引き,当郡の郡司に任じられる在地の有力豪族であるので,式内社に列せられた当社は同氏の崇敬を受けたと考えられる。康永3年の金剛頂寺家政所注進状に見える「雨津社」は当社のことと思われる(拾遺)。天正15年の室津地検帳には「天ノ神」とあり,神田・灯明田・神事田など1反余が記されている。江戸期には祭礼が9月11日,祭日は毎月11日であった(南路志)。明治以降,現社名に改称,秋祭りが10月10日に催される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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