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室戸阿南海岸国定公園
【むろとあなんかいがんこくていこうえん】


県東部から徳島県にかけての海岸沿いに設定された国定公園。面積7,216haで,本県側は室戸市と安芸郡東洋町の3,094haが指定区域。かつての室戸岬県立自然公園(昭和31年指定)と甲浦海岸県立自然公園(昭和33年指定)を同39年に1つにして国定公園の指定を受ける。室戸岬の東側の砂浜海岸はサーフィン場(生見・野根),海水浴場(白浜)として知られ,県境の甲浦は沈降性海岸で,古くから知られた港がある。一方,西側は行当岬・羽根岬など海岸段丘の発達した海岸で,室津・室戸岬(津呂)は「土佐日記」にもあらわれる古くからの風待港で,近世初頭に開削され,捕鯨の基地ともなった掘込式の漁港。中央に位置する室戸岬は斑糲岩の奇岩乱礁の海岸美で知られた国名勝地で,公園の核心部をなし,岬先端には中岡慎太郎の銅像がたつ。背後は比高100m以上の段丘をなし,段丘上には室戸岬灯台・室戸岬測候所・四国霊場八十八か所第24番札所最御崎寺(東寺)があり,岬一帯にみられるウバメガシ・アコウ・アオギリなどの暖温帯林の群落は「室戸岬亜熱帯性樹林および海岸植物群落」として国天然記念物に指定されている。岬を縦断する道路は昭和56年まで有料の室戸スカイラインであった。このほか,室津に四国霊場八十八か所第25番札所津照寺,崎山に第26番札所金剛頂寺(西寺)があり,高岡・行当では防風石垣のある民家がみられ,吉良川の御田祭りは国重要無形民俗文化財。高知市から室戸岬までは直通バスで約2時間半かかる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208403