100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

魚梁瀬県立自然公園
【やなせけんりつしぜんこうえん】


県東部にある県立自然公園。昭和39年指定。面積1,057ha。奈半利(なはり)川上流,安芸郡北川村と馬路村にまたがる山岳地域と,同郡安田町・田野町・奈半利町の海岸地域に分かれる。温暖多雨的な気候に恵まれた山岳地域は魚梁瀬杉と呼ばれる良質の杉などの森林資源の宝庫で,江戸期には御留山として厳重な管理下にあった。なかでも千本山(1,084.4m)には樹齢200年以上,樹高40mに達する天然スギの美林があり,大正7年千本山保護林に指定され,遊歩道が開かれている。また,南に位置する魚梁瀬ダムは昭和40年完成のロックフィル式ダムで,貯水湖畔には青少年旅行村があり,下流側にある久木ダムは流水調整ダム。一方,海岸地域は東の奈半利町加領郷から西の安田町唐ノ浜までの範囲で,北部は砂浜海岸,南部は岩石海岸をなす。奈半利・田野は木材の集散地として知られ,「土佐日記」に見える奈半の泊はこの付近の海岸に比定され,江戸期には奈半利町下長田から甲浦へ野根山街道が通じ参勤交代路にあてられた。田野の岡御殿(県文化財)は田野浦七人衆の1人岡家の屋敷で,藩主の本陣(宿泊所)の構えなどを伝える。安田町の神峯寺は四国霊場八十八か所第27番札所で標高630mの難所として知られており,北東の神峯神社には県文化財の本殿,樹高80m,周囲16mで県天然記念物の大クスがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208523