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若宮八幡宮
【わかみやはちまんぐう】


高知市長浜にある神社。旧県社。祭神は応神天皇・神功皇后・市杵島姫神・田心姫神・湍津姫神。長浜川(新川川)右岸にある小高い丘の東南麓に位置する。土地の人が源頼朝の弟希義を祀ったという説もあるが(土佐州郡志),頼朝が京都の六条左女牛にあった六条判官源為義の故地に石清水八幡宮を勧請して建てた若宮八幡宮を,当地に勧請したのであろう(県史古代中世)。「吾妻鏡」文治元年12月30日条によれば,頼朝が土佐国吾河郡の地頭職を左女牛の若宮八幡に寄進しており,その社領鎮守として勧請したと思われる。天正16年の長浜村地検帳によれば,本社が3間4間で板つき茅葺,舞殿は2間5間,横殿はなく2間8間の跡があったようである。その後文禄3年11月に長宗我部元親が横殿を造営した(棟札銘/蠧簡集)。元親は当社を戦勝祈願の社として信仰し,社殿は十字形をなす幣殿・拝殿・左右の翼・拝の出のうち,拝の出よりも幣殿が長い出蜻蛉形式になっている。これに対し,土佐神社(現高知市一宮(いつく))は,凱旋報告の社として幣殿が短く拝の出の長い入蜻蛉形式である。近世の別当は真言宗醍醐報恩寺末の若一山無量寺長楽院(現高知市長浜)であった。昭和5年県社に列格,例祭は11月6日。現在4月の第1日曜日に御田植祭があり,その後行われる「どろんこ祭り」はよく知られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208746