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在自山
【あらじやま】


宗像(むなかた)郡津屋崎町の東部にある山。天蓋(あまおい)山ともいう。標高237.5m。三郡山地の支脈,宗像山塊西部の主峰。かつては,郡内で,孔大寺(こだいじ)山と並ぶ修験道の道場であった。宮地岳神社奥院から在自山の展望所を経て,山麓の金刀比羅宮まで自然歩道が通じる。展望所からは,入江に沿った津屋崎塩田跡をはじめ,渡半島・玄界灘の眺望が開ける。金刀比羅宮は,当初山頂に金山彦神を農耕神として祀ったもので,のちに讃岐の象頭山から金比羅権現を勧請して,海上守護神として漁民の信仰を集めたため現在地に遷座。山麓の新宮には海難よけなどの絵馬が多数奉納される。農民にとっても水の神,雨乞祈願の神,牛馬の災難を免れる農耕の守護神であった。宮地岳から,北東の勝浦岳にかけての山麓一帯は,前方後円墳の分布が密で,群集墳からの出土品も種類が多く,品質が優れている点で,他地域とは異なった古墳文化を形成し,古代の宗像氏の墓所と考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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