100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

生の松原
【いきのまつばら】


福岡市西区にある松原。福岡市営地下鉄終点の姪浜駅から西へ約1.5kmの今津湾岸に位置し,面積約51haのクロマツの海岸防風保安林が分布。中央からやや浜寄りを国道202号が横断する。玄海国定公園の第1種特別地域に指定された風光明媚な松原で,白砂青松の美しい砂浜は,古くから福岡市民に親しまれる海水浴場でもある。生の松原の名は,神功皇后が西征の途中,この地に松の枝を逆に刺し,「もし功なればこの枝生きん」と祈願し,枝が生育したことにちなむとする伝説があるが,武内宿禰が,身代りとなって死んだ壱岐の真根子を祀った壱岐神社にちなむものであろう。一帯は大正11年,九州大学農学部付属演習林となり今日に至る。かつては2万本を超えた松は,昭和40年代後半に猛威を振るったマツクイムシの被害により約1万5,000本に激減,昭和50~56年の小康状態を経て,近年再び大発生し,昭和57~60年に3,760本を伐採,幹の太い成木は約1万本に減少した。伐採後に植樹された苗木が昔日の面影を取り戻すには数十年を要するという。海岸近くの林の中には昭和6年に国史跡に指定された元寇防塁があり,昭和42年一部が復元された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209064