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一の井手
【いちのいで】


那珂川上流の,筑紫郡那珂川町山田にある井堰。一の堰ともいう。長さ150m。河川に対して斜めに築造され井堰の表面に,玉石がコンクリートで固定される。神功皇后が那珂川の水を引いて下の方の田地に注ぎ,神田を作ろうとして築造したとの言伝えがある。この井手から分かれた水は裂田溝(さくたのうなで)を流れ,近世には山田・安徳・東隈・仲・五郎丸・松木・今光の7か村,田地約130町歩を灌漑した。この井手もたびたび水害の被害を受けたが,昭和24年8月16日の那珂川の大氾濫の折,決壊した一の井手の水門に正徳4年の文字が発見された。これは那珂川の水位が極度に低下し,取水を改修した年。昭和40年3月に大改修を行ったが,井堰の老朽化が進み漏水が多く,崩壊の恐れもあることから,同62年井堰を削り取り,約50m下流に水流と直角の鋼鉄製の井堰を完工。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209181