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怡土郡
【いとぐん】


旧国名:筑前

古代~近代の郡名。筑前国および福岡県の郡の1つ。筑前国の西部に位置する。北は志摩郡・博多湾,東は早良(さわら)郡,南は肥前国,西は玄界灘に接する。北に雷山・浮岳の山系を負い,南に平野が開けている。「和名抄」では怡土郡を「以止」と記しており,その訓は「いと」であろう。「古事記」に「伊斗村」,「日本書紀」仲哀天皇8年正月条に「伊覩県」,「延喜式」に「怡土」と見える。「魏志倭人伝」に見る伊都国の所在地。地名の由来は,「日本書紀」仲哀天皇8年条の伊覩県主の祖五十迹手が天皇から伊蘇志と賞されたという伝承による。
(古代)「和名抄」の郷は飽田【あくた】・託杜・大野・長野・雲須【くもはる】・良人・石田・海部【あま】の8郷。
(中世)鎌倉幕府の成立により怡土荘には地頭職が設置されたが,後白河院の口入によって停廃された。
(近世)天正15年の豊臣秀吉の九州仕置によって当郡は統一政権下に組み入れられ,秀吉は筑前一国と筑後2郡(竹野・生葉),肥前2郡(基肄【きい】・養父【やぶ】)を小早川隆景に与え,当郡もその支配下に置かれた。
(近代)明治11~29年の郡名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209214