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稲数
【いなかず】


旧国名:筑後

筑後川と支流陣屋川に挟まれた地域に位置する。地名の由来は,御井郡総廟赤司八幡宮由緒書(豊姫縁起)によれば,御井郡の稲置をここに置いたことから村名を稲員(いなかず)という説もある。しかし,稲数は,中世の大名田稲数に由来し,のちに稲置に付会されたものと思われる。この名(みよう)は御井・御原の両郡にわたり,近世に至って両郡に別々に稲数村が成立したものであろう。「和名抄」に「御井郡賀駄郷」とあり,潟は即ち低湿な沼沢地帯の意で現在の稲数の小名の蚊田(加田)であるという(大城村郷土読本)。この地は高良山神官頭稲員氏累代の居館跡で,延暦21年より正応3年まで500年に及んだという(家勤記得集)。その後,草野一族赤司氏が来住,代わって慶長年間赤司氏に関係のある中垣氏が居を構えた。このため,稲数村の村落は中世豪族の屋敷地を中心とする構造を残している。飛地内に条里制の遺構とみられる小名がある。
稲数村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
稲数(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209231