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岩淵
【いわぶち】


旧国名:筑前

(中世)戦国期に見える地名。筑前国御笠郡のうち。太宰府天満宮領。大永3年3月10日の杉興長書状に「太宰府天満宮領岩淵内秣田壱町弐段地事」と見え,筑前守護代の杉興長が同宮領である当地の安堵を守護大内氏に請うている(上座坊文書/博多史料3)。同文書により大永3年以前に当地は同宮の上座坊領として成立していたことが知られる。鎌倉期に「石淵辻地」が安楽寺僧の所領であったことが寛喜元年5月23日の修理少別当信宗所領注進状案と正和2年2月日の少別当兼検校信朝所帯名田屋敷注文(太宰府天満宮文書/天満宮史料7・9)によってうかがわれるが,当地と同一地かどうか確定できない。天正15年12月7日の小早川隆景天満宮領打渡状案には「田数三拾町 同郡之内岩淵村」とあり,同18年の小早川隆景検地高辻帳によれば「三笠郡内岩淵分之事,一田数弐町六反 一畠四段」とある(満盛院文書/博多史料8)。現在の太宰府市太宰府の岩淵一帯に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209384