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浮嶽神社
【うきだけじんじゃ】


糸島郡二丈町吉井にある神社。旧郷社。祭神は,標高805mの浮岳山上にある上宮が伊弉諾尊,ふもとの字渡瀬にある中宮が伊弉冉尊と菊理媛命。当社の古代~中世における確実な歴史はほとんどわからない。社伝によれば,雷山千如寺を創建した僧清賀が天平年間,久安寺を建立し,天文20年まで10坊が存続し,浮岳白山妙理大権現と称して社領もあったが,天正年間豊臣秀吉の兵火にかかって,1坊を残し滅亡したという。現在も浮岳権現と通称する。元来は,浮岳を神体とする地主神であったと考えられるが,現在社に残されている平安前期の作とみられる木造地蔵菩薩立像や木造如来立像・木造如来形坐像(伝薬師如来像)がもともと当社の神宮寺のものであったとすれば,平安前期には神仏習合化が進み,やがて加賀の白山信仰を受け入れ,修験道色を強めていったと思われる。なお平安仏3体は九州において最も古い時期に製作された木彫仏で国重文。例祭は上宮が秋の彼岸の中日,中宮は10月10日に行われ吉井浜まで神幸がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209424