100辞書・辞典一括検索

JLogos

33

江島開
【えしまびらき】


旧国名:筑後

(近世)江戸期~明治9年の地名。筑後国山門(やまと)郡のうち。矢部川と支流塩塚川に挟まれた平野部の中央に位置する。地名は当地を開いた開拓者江島美濃守麟圭の名による。柳川藩領。垂見組に属す。石高は「旧高旧領」277石余。明治5年の反別は27町7反余(郡郷/立花家文書)。永禄年間三潴(みずま)郡江島城主江島美濃守藤原麟圭は一族とともに塩塚川左岸の潟地を干拓した。これが江島開である。麟圭は慶長19年薙髪入道して開善と号し,浄土真宗常楽寺を創建。常楽寺には麟圭の絵像が大切に保存され,境内中庭に墓所がある。藩主が有明海沿岸に鴨狩りに出たとき,同寺が休息所になった。藩主立花氏は麟圭の菩提を弔うため柳川城の北の門を同寺へ寄進し,現在同寺の山門となっている。江島開の一部に江島権兵衛開がある。若宮八幡神社・祇園神社・稲荷神社の3社がある。若宮八幡神社の拝殿は,文政2年藤原久茂による建立。棟木に神主楢尾但馬守棟光,庄屋高山新治,大工棟梁加賀田十右衛門とある。明治9年栄村の一部となる。現在の大和町栄のうち。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209561