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大国郷
【おおくにのごう】


旧国名:筑前

(古代)平安期に見える郷名。「和名抄」筑前国席田(むしろだ)郡三郷の1つ。「延喜式」の大宰府に向かう官道の大路に置かれた筑前国の久邇駅は,当郷にあったと考えられ,席田郡唯一の駅で駅馬10匹を置いた。「古今著聞集」に嘉保3年大宰権帥源経信が大宰府に下向する途中,観月の宴を行った莚田駅(むしろだのえき)はこの駅ではないかとされ,源経信はここの槻が観月の邪魔になるので切り倒したというが,貝原益軒はこの槻のあった所が槻隈でのちにそれが訛って月隈となったという(続風土記)。旧席田郡東部の南北に延びる丘陵地帯の中程から平野部にかけて広がる,現在の上月隈・下月隈に蓆田駅すなわち久邇駅があったとすれば,その一帯が大国郷の所在地であったということになる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209671