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大野荘
【おおののしょう】


旧国名:豊前

(中世)平安末期~南北朝期に見える荘園名。豊前国企救(きく)郡のうち。現在の北九州市小倉南区の西半分を占めたか。現存しないが,小倉南区山本出土の寛治元年11月23日の日付を有す経筒銘に「豊前国規矩郡大野庄西明寺」とあったと伝える(経塚遺文)。山本には現在大野八幡宮があり,母原(もはら)には東大野八幡宮がある。下って明治44年に西光寺跡から発掘された至徳2年8月の日付を有する鐘銘にも「豊前規矩郡大野庄井手浦西光寺鐘銘」とある(日本古鐘銘集成)。この間,建久の「豊前国図田帳写」に「大野庄八十丁」とあり(到津文書/鎌遺926),鎌倉初期の弥勒寺喜多院所領注進状には「大野庄〈五十町〉」と見える(石清水文書2/大日古)。築城(ついき)郡にも大野荘があるが,上記2史料の大野荘は当地のことであろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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