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大淵
【おおぶち】


旧国名:筑後

大渕とも書き,古くは南大淵ともいった。矢部川上流域に位置する。地名の由来は,北を流れる矢部川(境川)に剣持川が合流するところに大きい淵があるためという。日向神渓谷の入口にある日向神大明神の神書によると,木花開耶姫の寝殿は陰を用いて「月足」の里と名付け,夫ニニギの尊の寝殿は陽をかたちどり「日向神里」と号したとある。字大梅(おおめ)は大梅があったので名付けられた地名で,現在の梅は数代の孫梅という。近くの天満宮に神木として樹齢300年余のヤマツバキがある。南北朝期後醍醐天皇の皇子懐良親王の副将軍として九州に入った五条氏の子孫の邸(寛永年間建立)が城の原にある。五条氏邸の東山頂にある熊野神社は4代五条頼治が応永10年自家の産土神として創建したという。字剣持は征西将軍懐良親王の剣を持つ近臣の住した所という。熊本県境にある星原峠は,古代からの椎持(しいもち)往還という。
大淵村(中世)】 南北朝期~戦国期に見える村名。
大淵村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
大淵村(近代)】 明治22年~昭和32年の自治体名。
大淵(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209782