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大牟田川
【おおむたがわ】


大牟田市を流れる2級河川。流長10.4km,流域面積7.4km(^2)。大牟田市勝立字向田の丘陵地を水源とする。上流は洪積台地の間を流れる小さな溝で,自然流量は極めて少ない。中流右岸に三井東圧化学などの工場が立地し,続いて大牟田の中心市街地を貫流,下流の右岸にも三井東圧化学・電気化学・三井金属などの工場が立地する。有明海に注ぐ河口部は川幅が広く,大牟田港として利用される。この川には明治期以降の大牟田における石炭産業・化学工業の発展に伴い,洗炭水や工場排水が大量に流され,公害の川として有名であった。流水は茶褐色を呈し悪臭を放ち,魚類はもちろん大腸菌さえいないこの川を市民は悪水川と呼んだ。昭和43年に水質保全法に基づく水域指定,同48~50年に川底および河口付近のヘドロ浚渫工事が行われ,さらに同50年9月からは県独自の排水基準の適用を受けて,この川への排水が不可能となった。このため河口部に工場排水終末処理場を造り,導水管により各社共同で排水処理を行うようになった。しかし,1次処理済みの排水は河口付近で有明海に放流されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209796