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小郡官衙遺跡
【おごおりかんがいせき】


7~8世紀の官衙遺跡。小郡市小郡字向築地に所在。国史跡。筑後平野の北部,西鉄小郡駅の北東にある低台地上に位置する。昭和42年,土地改良事業中に発見。発掘調査は同42~43,45年度に行われ,3群に大別される掘立柱建物・溝などが検出された。遺構は出土遺物や遺構自体の重複状況から見て,おおむね8世紀に第1群・第2群・第3群に築かれ,最も早い建物遺跡は7世紀後半に属すると考えられる。また,瓦が出土されておらず,草葺きの建物と推定される。建物群はきわめて計画的に造営されており,特に第2群に属する26棟の建物遺構は柵列により,官衙的建物群と炭化米を出土する倉庫群に分離されている。倉庫は郡稲を保管した正倉と推定され,官衙的性格の遺跡(郡衙跡)とすることができる。北九州地方では大宰府以外で最初に発見された官衙遺跡で,古代北九州の歴史を探る上で,また,古代における正倉の例として貴重な遺跡である。なお,建物遺構の下層からは弥生時代の遺構が包蔵されており,貯蔵穴などの遺構および多数の土器・金属器などが確認・出土している。現在は土地が公有化され,遺構の平面復元工事が実施され,史跡公園となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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