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音丸城
【おとまるじょう】


戦国期の山城。鞍手郡鞍手町新北字音丸に所在。六ケ岳山麓部の舌状台地に位置する。主要地方道宗像直方線の新北バス停北東方にある天満神社の森が音丸城跡。この城に関する史料としては,熱田神社所蔵「金川文書」中の文政3年「続風土記付録御調子書上帳(村方ひかへ)」の「名所古并並古城古戦場之事」の項に「一,音丸山と申所ニ古城と申し,従以前唐堀等御座候而,只今は山上ニ天満宮ヲ祭居申候,何某の城と申儀相分不申候」とあるが,唯一の記録。城跡の一部が九州縦貫自動車道の路線内にかかったため,事前の発掘調査が昭和50~51年に実施された。その結果,天満神社神殿を中心にして土塁が巡っており,南側に空堀を設けて丘陵を切っていることが確認された。また空堀からは五輪塔1基が検出され,時期的には14~15世紀のものとされた。このことから城の存続年代は15~16世紀の戦国期で,剣岳城の出城として利用され,廃絶は整地断面の観察から,元和元年の一国一城令によるものと考えられる。城の規模は,東西50m×南北120mである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209913