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開善寺
【かいぜんじ】


北九州市小倉南区湯川2丁目にある寺。臨済宗妙心寺派。山号は畳秀山。本尊は観世音菩薩。寺伝によれば,建武2年に小笠原貞宗が信濃国伊賀良荘に建立,大鑑禅師を開祖とし小笠原氏の氏寺とした。その後,小笠原家の転封に従って移転し,寛永9年小笠原忠真の豊前国入部で小倉に移り,細川氏時代に泰巌寺(細川氏とともに熊本に移転)のあった場所(現在の馬借町)に堂宇を建立,寺領120石を与えられた。のち150石に加増。藩主が没すると柩はいったん当寺に入ったのち菩提寺の広寿山福聚寺に葬るのを例とした。寛永15年島原の乱に際しては上使松平信綱が当寺に止宿,また,隠元・木庵・即非ら黄檗宗の名僧もここを訪れている(小笠原忠真公年譜)。当寺12世大蘇も名僧として知られる(鵜の真似)。小倉領寺院聚録には6か所の末寺・末庵が数えられる。寺は慶応2年小倉戦争によって焼失,同じ馬借町にあった末庵卯月庵の建物を移していたが,昭和36年現在地に移転した。境内には享保飢饉の際の供養塔がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209963