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片隈
【かたくま】


旧国名:筑前

(中世)鎌倉期から見える地名。筑前国鞍手郡のうち。弘安8年3月日の筑前水原若宮社村々相撲次第の9番に,「古物 水原 片隈」が見え,「各々出仕無沙汰不可有候,若無沙汰候ハゝ,堅固大宮司成敗可致候者也」とある。若宮八幡社で行われていた村々相撲に片隈の者が参加していたことがわかる(筑前町村書上帳/鎌遺15497)。応永16年4月16日,宗像大宮司氏経が編纂した宗像社家文書総目録の,「宮永・片隈田地三町分文書」のなかに,「一通 一色道猷宗像弥九郎(氏家)賜御教書□〈観応二年十一月廿九日〉尊氏将軍外題御判在之」など6通の文書目録を収める他,「代々社務譲状次第」の中に「一通 自氏俊同弥松譲状 鞍手郡宮永片隈事〈応安四年七月廿六日〉」とある。こうしたことから片隈に宗像社領があったことがわかる(宗像郡誌中巻)。現在若宮町に片熊の小字名が残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210064