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賀太郷
【かだのごう】


旧国名:筑後

(古代)平安期に見える郷名。「和名抄」筑後国御井郡八郷の1つ。延喜5年の観世音寺資財帳(東京芸大所蔵文書/平遺194)に「園□(圃カ)地」として「筑後国⊏ ⊐井郡加駄野」があり,大宝3年12月20日の官施入という。その後,延久3年に太宰府が「賀駄御園」に関して大府宣を下したことがあり(守屋孝蔵氏所蔵文書/太宰府史料5),また保元3年6月12日の観世音寺文書召文(観世音寺文書/平遺2932)には「賀駄庄」,同15日の観世音寺文書目録(東大寺文書/平遺2933)には「賀駄御園」とある。これらのことからはじめ賀太郷内に設定された官施入地の賀駄園が基礎となって次第に同郷内の開発が進み,同時にこれが荘園化して観世音寺領賀駄荘が成立し,その結果令制下の賀太郷は崩壊していったものと見られる。比定地未詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210073