100辞書・辞典一括検索

JLogos

22

包行名
【かねゆきみょう】


旧国名:筑後

(中世)鎌倉期~戦国期に見える名(みょう)の名。筑後国三潴(みずま)郡のうち。「吾妻鏡」寛喜2年2月8日条に中野助能が承久勲功賞として拝領した筑前国勝木荘を本領主勝木則宗に返す代わりに,助能に「筑後国高津包行両名」を賜うとあるのが初見。永仁4年12月の玉垂宮大善寺神事注文写(隈文書/鎌遺19238)によると三潴荘鎮守玉垂宮の5月15日に行われる五月会で包行は村田楽を奉納する単位の1つとして見え,三潴郡西郷に属していた。また貞和3年9月23日の高良宮祭料神役村々注文写(御船文書/南北朝遺2372)に「包行村」とあり祭料米5斗・村田楽・大善寺安居花摘料米4斗・大善寺檀供8枚などの神役を課されている。天正10年10月豊後の大友義統は竜造寺隆信方であった酒見右衛門が自らの手に属した事を賞し蒲池鎮漣跡の包行13町分などを与えている(歴世古文書/大日料11‐2)。文禄4年12月1日の筑後国知行方目録に「弐百弐拾弐石参斗四升かねゆき」とある(立花文書/県史資料4)。西郷に属しているから大川市・柳川市付近であろうが比定地は未詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210165