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神崎
【かみざき】


宗像(むなかた)郡大島村にある岬。神崎鼻ともいう。「続風土記」には「神崎は大島の北にあり。佳境也。むかし此島の神の,出雲より初めて此所に着玉ふ処と云」とある。奈良期には,この周辺に防人が置かれ,防人の歌「神が崎荒石も見えず波立ちぬ何処ゆ行かむ避道は無に」が「万葉集」巻7に所収される(古典文学大系)。大正15年,岬の高台に灯台が点灯し,昭和11年には大島砲台が設置されるなど,玄界灘・対馬海峡などの航海安全や沿岸防備上の重要地点として今日に至る。また,長崎から逃げてきたバテレンが隠れ住んだという御浦の洞穴,古代に神が馬で沖ノ島にとび渡ったという馬蹄岩と称する大きな馬蹄型の穴のある岩などがある。岬の周辺一帯は,イソシバの群生,奇岩に富む海岸のキャンプ場やハイキングコース,磯釣りなどで多くの人に親しまれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210277