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駕与丁池
【かよいちょういけ】


粕屋郡粕屋町仲原にある灌漑用溜池。福岡平野最大の規模で,周辺には多数の溜池が分布する。駕与丁池は,沖積平野に枝状に延びた小丘の末端部を堤高19m,堤長260mの堤防で囲んだもので,元禄10年の築造と伝える。明和元年の堤・井樋の改修工事の記録では,池床20町7反歩,堤長136間,根置29間で,築造には,延べ10万人以上の労役により数年を要したと推定される。現粕屋町および福岡市東区(多々良・箱崎地区)の耕地800haを潤したが,開墾による灌漑面積の増加,旱魃などにより用水不足の年が多くなり,明和9年に新大間池を築造。寛政12年,駕与丁池の仕掛水路の完成と井堰の増設が行われ,文化18年には新大間池の仕掛水路が完成し,余水は駕与丁池・古大間池・敷縄池にも注いだ。大正2年には,篠栗町の多々良川からのサイホン式の導水路が完成し,駕与丁池を中心とした現在の給水体制が確立。地名の駕与丁は,かつて付近に大寺院があり,神輿の担ぎ手や護衛者が駐屯・居住したことにちなむという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210431