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河北郷
【かわきたのごう】


旧国名:筑後

(中世)鎌倉期~室町期に見える郷名。筑後国御井郡竹野新荘のうち。文永10年6月10日の沙弥蓮種(草野永種)譲状に「筑後国竹野御庄河北郷内赤目(自カ)別符・同吉富・江在・高橋・中島・四垂柳・下津留畠地・把木町・香椎町・綿引,同郷惣公文職,押領使職□□□」と見え,河北郷内の土地と同郷惣公文職・押領使職が蓮種から養子の草野永平に譲られている(草野文書/鎌遺11344)。なお,鎌倉末期には,竹野荘は西大寺領で,得宗領であったようである。下って,南北朝期の貞和6年9月20日の足利直冬下文では,「竹野新荘河北郷内安永⊏⊐」が,後藤兵庫允光明に宛行われている(後藤文書/佐賀県史料集成6)。しかし,応永19年11月12日の室町幕府御教書によれば,「河北郷内安永名,同郷内弥益名」が赤司土佐入道性淳の所領として安堵されている(草野文書/県史資料4)。後藤光明に与えられた安永は安永名と考えられる。河北郷は北野社領の河北荘と錯綜しているが,赤自別符(北野町赤司),高橋(同町高橋),中島(同町中島),安永(同町安永),弥益(同町山須)の地名から推定すると,現在の北野町の中部の地域にあった郷と考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210456