河原村
【かわらむら】

旧国名:筑前

(近世)江戸期～明治８年の村名。筑前国怡土(いと)郡のうち。背振山系二丈岳の北東，羽金山の北西麓に位置する。はじめ豊臣氏蔵入地，慶長４年唐津藩領。慶安元年幕府領，同２年再び唐津藩領，元禄４年再び幕府領，享保２年からは中津藩領。中津藩領時代ははじめ淀川組，安政４年から深江組に属す。村高は，「元禄国絵図」724石余，「享保２年郷村高帳」「天保郷帳」ともに725石余，「旧高旧領」836石余。元和２年唐津藩主寺沢広高が検地を実施。元禄４年の貢租は，取米326石余，夫米10石余，真綿代銀14匁余など（川上家文書）。宝暦11年の竈数21・人数132（男81・女51），牛41・馬４，文政８年の家数32・人数133（納富家文書）。弘化４年の人数120（男66・女54），嘉永３年の竈数29（藤瀬家文書）。文政12年の持高構成は，10石以上23，６石以上８，３石以上15，１石以上13，１石未満５（川上家文書）。天保11年２町以上の農民２（藤瀬家文書）。延宝６年，幕府領片峰村のうち高110石余が新片峰として分けられ，当村に編入された（中津藩治要・糸島郡誌）。なお，「旧高旧領」では河原村とは別に新片峰村の名が見え，村高111石余とある。文政11年大風害をうけ取米42石余，天保７年凶作のため70石余が用捨となった（納富家文書）。同14年大火に見舞われる（川上家文書）。河原竈門神社がある（二丈町誌）。明治初期の戸数27・人口120（男63・女57），牛27・馬２，田32町余・畑２町余・山林２町余，正税は米234石余，雑税は米７石余（地理全誌）。同７年立石に河原小学校が創立（二丈町誌）。同８年上深江村の一部となる。現在の二丈町上深江の一部にあたる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7210526