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祇園町下
【ぎおんまちしも】


旧国名:筑前

(近世)江戸期~明治7年の町名。江戸期は博多の1町。「続風土記」には鷹師町下と見える。「続風土記付録」には祇園町下と見え,黒田長政の入国の際に鷹師が置かれたので鷹師町(下)と称したが,のち改称したと記される。御笠川下流と那珂川下流に挟まれて位置する。新町流のうち。元禄年間の家数44(続風土記)。宝暦年間の家数52,間数180間余(石城志)。地内には寺地が多く,浄土真宗万行寺・同宗順正寺・同宗善照寺・曹洞宗東林寺・禅宗一朝軒(虚無僧寺)がある(続風土記付録)。博多のはずれにあたり,中世末期の大友氏時代,房州濠・古屋堀が掘られ,砦が造られ矢倉門が置かれた。のち一帯は矢倉門と呼ばれた(三奈木黒田家所蔵福博古図)。寛永年間ころ,当町の伊藤宗巴は,久しく跡絶えていた博多の松囃子の再興に尽力したという(続風土記付録)。松囃子の歴史は古く,中世の記録にも見られ,現在は博多どんたくの祭りの中に残されている。慶応2年当時の博多店運上帳には鰯屋一統や,多数の陶工,素焼人形の職人が見える。明治7年下祇園町と改称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7210579